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2023.08.29 08:28

イルカ保護・捕獲は原則禁止 海水浴客 避難・警戒のみ可能【なるほど!こうち取材班 パートナー紙とともに】

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美浜町の水晶浜海水浴場の砂浜近くを泳ぐイルカ(福井県三方郡美浜町)

美浜町の水晶浜海水浴場の砂浜近くを泳ぐイルカ(福井県三方郡美浜町)

 イルカを捕獲、保護できないの? 福井県内の海水浴場にイルカが出没し、海水浴客がけがをする被害が相次いだ中、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に、こんな声が寄せられた。県によると、法令でイルカの捕獲は原則禁止されており、船で巡回、監視して被害が出ないよう警戒するしかないようだ。

 投稿者は「有害鳥獣ではないので駆除できないのは何となく分かる。でも、かまれたり衝突されたりする被害が出た以上、保護して沖に逃がせないのでしょうか」とつづった。

 県自然環境課によると、クマやイノシシなど野生動物の捕獲は鳥獣保護管理法で定められているが、イルカは対象外。県水産課に尋ねると、イルカは漁業法や水産資源保護法の対象となっている。

 厳密には、農林水産省の省令で「歯鯨(はくじら)の捕獲の禁止」の規定があり、イルカもハクジラの一種。違反すると懲役や罰金が科されるケースがある。伝統漁業の一環などで捕鯨業者が捕獲する場合も特定のハクジラに限られ、都道府県知事の許可が必要だ。

 県内でのイルカ出没を受け、同課が法令との兼ね合いを水産庁に問い合わせたところ「福井県のケースでも、捕獲も一時的な保護もできない」との見解だったという。

 県は7月21日から取締船や調査船で海上を巡回し、イルカの行動監視を始めた。海水浴場に近づく姿を確認した場合は関係先に連絡し、海水浴客の避難などに役立ててもらうという。県水産課は「できる範囲で、被害が出ないよう対応していく」としている。(福井新聞)



 県民・読者とつくる調査報道企画、高知新聞「なるほど!こうち取材班」(なるこ取材班)。連携する全国のパートナー紙の記事や県内の状況を随時掲載で紹介します。

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