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2023.08.22 08:00

小社会 BBQ

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 毎夏1回、知人家族ら数世帯で仁淀川上流に川遊びに出向く。食事はもちろんバーベキュー(BBQ)。先週末、その機会を楽しんだ。

 私たちのコンロは古くて胸を張れるものではない。米国の食の専門家らが記した「バーベキューの歴史」(原書房)によれば、BBQの定義は「煙で燻(いぶ)しながら、熱した空気でゆっくりあぶり焼きにする」こと。そんな理屈を意識して焼くわけでもない。

 それでも、自然の中で食う肉はやはりうまい。何より、皆が皿を手に料理を囲み、場が和み、距離が縮まる。近年、BBQで地域活性化に取り組む四万十市西土佐の人たちの言葉を借りれば「主役は肉でなく、人」なのだ。

 そんな側面を持つので当然、政治利用もされてきた。有名なのは米ジョンソン大統領。BBQを好み、エリートだった前任者ケネディ氏との差を演出したほか、打ち解けたムードで行う政界工作が「BBQ外交」とも呼ばれた。

 先の日米韓首脳会談。舞台になったキャンプデービッドは大統領の山荘である。山荘と聞くだけで勝手にBBQを連想してしまうが、さすがにバイデンさんは正統派のようだ。そんなことをせずとも3人の関係は大丈夫だということか。

 だが中国は反発を強め、また緊張が高まった。何とか安定は保たなければ。中国もBBQ料理の長い歴史と文化があるという。「BBQ外交」を探ってみるのも、意外に悪くないのかもしれない。

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