2023.08.13 08:37
「才谷屋」喫茶から塾に 龍馬ファンが屋号つなぐ―ちいきのおと(134)上町3丁目(高知市)
喫茶店時代のカウンターはそのまま。龍馬関連の書籍やコーヒーカップも残る「才谷屋」(写真はいずれも高知市3丁目の才谷屋跡)
カウンター席で、子どもが足をぷらぷらしながら教科書を広げる。すぐ後ろの壁に、坂本龍馬の肖像画とポスター。高知市上町3丁目の学習塾「才谷屋」は、大崎史明さん(40)が10年前、坂本家本家があった土地で営まれていた喫茶「さいたにや」の跡地をそのまま引き継いだ。龍馬ファンがつないだ屋号を掲げ、子どもたちを見守っている。
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「これ、分からーん」
小学5年の男児が算数のドリルを示す。大崎さんが後ろから「どこよ?」とのぞき込む。
才谷屋に通ってくるのは市内外の小中学生6人。全教科を対象に、苦手分野や分からないことを大崎さんが1人で個別に教える。ここは、学校のペースに合わせた補習塾だ。
「授業に付いていけない子、学校生活になじめない子のための場所。現代版の寺子屋を目指している」と大崎さん。内装は喫茶時代のままで、龍馬関連の書籍や銅像も残る。…