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高知新聞PLUSの活用法

2023.08.12 08:00

小社会 ところてん

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 夏の涼の取り方はいろいろあるが、食べて涼しむなら、ところてんは外せまい。あの半透明の見た目の爽やかさ、つるつるとした食感や喉ごし。冷えただし汁も心地よい。

 ところてんは主にテングサから作られる。浅い海で太陽の光を受けて育つ赤い海藻で、天日で何日も干すと色が抜ける。それを煮出して固める。まさに太陽の恵みであり、日射量が全国屈指とされる高知にふさわしい食べ物ではないか。

 子どもの頃は家でよく手作りした。最後に木の型で突き出して糸状にするのが楽しみで、独特の清涼感があった。〈一尺の滝も涼しや心太(ところてん)〉。小林一茶は、型から突き出される様子を風流に滝に例えている。

 ただし、だし汁をかけて食べる高知県民の流儀は全国的に見ると特殊らしい。気象会社ウェザーニューズが4年前に行った全国アンケートで、ところてんにかける物を聞いたところ、酢じょうゆが多数を占めた。近畿では黒蜜が多かった。

 そういえば随分以前に、京都の店で黒蜜のかかった上品なところてんが出てきて衝撃を受けた。高知では、かつおだしが一般的で、薬味にはショウガなどを使う。考えてみれば、実に高知らしい組み合わせだ。

 台風6号の雨がようやく上がったと思ったら、次は猛暑が続くという。よさこい祭りはきょう後夜祭。あすからはお盆に入る。ところてんで涼を取りつつも、こまめな水分補給や冷房の活用をお忘れなく。

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