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2023.08.05 08:35

多彩なメニュー愛され50年...四万十市の老舗喫茶「珈琲館ひいらぎ」閉店へ 店主女性「支えに感謝」

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今月いっぱいで閉店する「珈琲館ひいらぎ」の店内(写真はいずれも四万十市中村天神橋)

今月いっぱいで閉店する「珈琲館ひいらぎ」の店内(写真はいずれも四万十市中村天神橋)

 四万十市の天神橋商店街の老舗喫茶「珈琲館ひいらぎ」が、今月いっぱいで閉店する。中心市街地の一等地でほぼ休むことなく50年。レトロな店構えと多彩なメニューが、地元の常連客や買い物客らに愛されてきた。体力の衰えもあって決断を下した店主の佐竹洋子さん(80)は「感謝の言葉しかない」と話し、常連客は「寂しくなる」と惜しんでいる。

コーヒーを抽出する店主の佐竹洋子さん

コーヒーを抽出する店主の佐竹洋子さん

 1973年に開店し、5年後に建て替え。サクラ材を使い、れんが風の内装に仕上げた雰囲気のいい店は人気を集めた。当時、天神橋アーケード内だけで7店ほどの喫茶店がひしめく中でも繁盛した。

 5年ほど前までは夜9時半ごろまで営業していたが、近年は朝8時から夕方までだった。トーストやホットサンドなどとコーヒーをセットにしたモーニングのほか、ケーキやパフェ、ジュースなど多彩なメニューを提供してきた。

 「子どもはイチゴを搾った生のジュースが好きでねえ。帰ってくるたび連れてきたがよ」「街で飲んだ後に、カラオケに行かんと、アイリッシュコーヒー(ウイスキー入りコーヒー)を飲みに来たりねえ…」

 7月下旬の店内では、それぞれの思い出が詰まった温かな味、冷たい甘味を楽しみ、「残念」「もったいない」と惜しむ常連客の姿が見られた。

 佐竹さんと50年来の友人という西野桂子さん(76)は「お姉は愛想はようないけんど、性根がええ人。やけんスタッフもええ人が集まって、お客さんもええ人が集うて。それで50年続いたんやろうねえ」と笑顔を見せる。

 「素人が始めた店を支えてくれた従業員と、お客さんには感謝しかない」と佐竹さん。半世紀の歩みを支えてくれた周囲への言葉に万感の思いを込めた。(川田樹希)

高知のニュース 四万十市

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