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2023.07.26 08:00

【熱中症】10年に1度の暑さ警戒を

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 きのう、最後まで残っていた九州北部の「梅雨明け」が発表され、列島の梅雨が終わった。これから各地で一段と気温が上がり、一年で最も暑い時季に入る。熱中症への警戒を強めたい。
 気象庁は、この夏は全国的に高温になるとの見通しを発表。7月に入り、各地で気温が35度以上になる猛暑日が相次ぎ、「熱中症警戒アラート」の発表も続いている。
 一昨日には、「高温に関する早期天候情報」が四国を含む全国各地に発表された。この情報は、6~14日先、10年に1度程度しか起きないような著しい高温が予想される場合に出される。
 四国地方は8月に入ると、かなりの高温になるという。きのう発表された「2週間気温予報」では、高知市は猛暑日となる日はないものの、30度以上の真夏日が続き、猛暑日に迫る見通しだ。
 また、最低気温が25度以上の熱帯夜も続くとみられる。8月に入ると、26度までしか下がらない寝苦しい夜になりそうだ。
 こうなると、熱中症への十分な備えが欠かせない。
 消防庁の最新集計では、今月10~16日の1週間に熱中症で救急搬送された人の数は全国で計8189人。それまで今季最多だった前週(今月3~9日)の3964人の2倍以上となった。
 気温の上昇とともに熱中症患者も急増していることが分かる。暑さが今後さらに厳しくなることを考えれば、熱中症や健康の悪化に一層の注意が要る。
 昨年5~9月の集計では、期間中に熱中症で救急搬送された人は計7万1029人。うち65歳以上が過半数の3万8725人を占めた。また発生場所は4割近くが「住居」だった。これらの特徴は過去5年間を見ても同じ傾向にある。
 高齢者は若い人に比べ、暑さを感じにくいといわれる。体の水分も少なく、脱水症状になりやすい。持病のある人が多いため、熱中症が重症化もしやすいようだ。
 熱中症は室内でも起こる。室内が蒸し暑いと、じっとしていても体調がじわじわと悪化しやすいという。高齢者や小さな子どもは思わぬかたちで熱中症になりかねない。
 暑い日には外出や野外の作業を控えるのはもちろん、室内でも我慢せずにエアコンを利用しよう。こまめな水分補給も欠かせない。
 日頃の食事や睡眠、体調管理も大切になる。天気予報や熱中症警戒アラートといった天候に関する情報も大切だ。自分自身で気をつけるのは当然のこと、家族や地域でも気を配っていきたい。
 気象庁が夏の暑さに危機感を強め「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明したのは2018年の7月だった。その後も夏の過酷さは変わっていない。
 まして「10年に1度」級の暑さが予想される今夏。例年以上の対策が求められる。若い人も決して油断してはならない。

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