「海のアトリエ」

2023.08.25 05:00

「海のアトリエ」

高知新聞社

大人(おとな)になった気分(きぶん)で読(よ)めます
　もうすぐ夏休(なつやす)みも終(お)わりですね。どんな思(おも)い出(で)ができましたか。

　この本(ほん)には、おばあちゃんと暮(く)らす女(おんな)の子(こ)が出(で)てきます。おばあちゃんの部屋(へや)には、黄色(きいろ)い服(ふく)を着(き)た女(おんな)の子(こ)の絵(え)が飾(かざ)られています。それは、子(こ)どもだったころのおばあちゃんです。

　おばあちゃんが小学生(しょうがくせい)くらいのころ、夏(なつ)に1週間(しゅうかん)、ひとりで、お母(かあ)さんの友達(ともだち)の絵描(えか)きさんのところで過(す)ごしたのだそうです。その人(ひと)は海(うみ)の見(み)えるアトリエに一人(ひとり)で住(す)んでいて、絵(え)を描(か)いていました。アトリエというのはフランス語(ご)で、仕事(しごと)場(ば)、工房(こうぼう)という意味(いみ)です。

　毎日(まいにち)、朝(あさ)起(お)きると逆立(さかだ)ちをして、海(うみ)に散歩(さんぽ)に出(で)かけ、ごはんを作(つく)って絵(え)を描(か)いて。子(こ)どもだったおばあちゃんも、絵描(えか)きさんと過(す)ごしながら、本(ほん)を読(よ)んだり絵(え)を描(か)いたり。

　普段(ふだん)会(あ)わない人(ひと)や話(はな)したことのない人(ひと)と過(す)ごすってどんな感(かん)じでしょう。夏(なつ)の出来事(できごと)を思(おも)い出(だ)しながら読(よ)んでほしい絵本(えほん)です。（ＮＰＯ法人(ほうじん)高知(こうち)こどもの図書館(としょかん)　刈谷()明子()）

「海のアトリエ」　堀川理万子／作　偕成社　小学校中学年以上

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