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2023.07.25 08:00

小社会 アイスクリン

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 暑い日にはアイスクリームよりもアイスクリンを食べたくなる。これは子どもの頃から食べ親しんでいる高知県民の特性だろうか。以前、同世代の知人たちと思いが一致した。

 アイスクリンの良さには口当たりの軽さがある。食文化史研究家の故小菅桂子さんも初めて食べた感想を「シャーベットのようにさっぱりとしていてまことに美味であった」とつづっている(著書「にっぽん洋食物語大全」)。

 砂糖や卵、脱脂粉乳などが原材料なので脂肪分が少ない。分類上も、牛乳やクリームを使い一定の乳脂肪分が含まれる「アイスクリーム類」ではなく、「氷菓」という。つまり、かき氷に近い。

 歴史をたどると、牛乳が高価だった時代、各地で作られた安価なアイスの一つだったようだ。戦後、社会が豊かになり、アイスクリーム類が普及していったが、高知ではアイスクリンも進化したのだから面白い。

 昨年、気象会社ウェザーニューズがユニークな調査結果を発表した。日本ではかき氷よりアイスクリームが好まれるが、暑くなると、かき氷派が増加。気温34度を境に逆転するという。アイスクリンが夏の厳しい高知で愛され続ける理由には、このあたりもあるのだろうか。

 きょうは「かき氷の日」という。この夏は猛暑になるといわれており、かき氷の需要増は必至だろう。ただし、高知を訪れた方々はぜひ試してほしい。かき氷に近い、県民のソウルフードも。

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