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2023.07.14 08:00

小社会 クマゼミ

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 1週間ほど前から朝、セミの合唱で目覚めるようになった。クマゼミが「シャワシャワシャワ」。アブラゼミが「ジリジリジリ」。梅雨は明けていなくても、夏本番の風情だ。

 少年だった1970年代、セミ捕りに行くと、虫かごはクマゼミとアブラゼミがちょうど半々ぐらいになった記憶がある。ところが昨年だったか、公園でセミ捕りをしている親子にかごを見せてもらって驚いた。すべてクマゼミ。

 たまたまだったのかもしれないが、大阪では近年、セミの勢力図に異変が起きていることが研究者の調査で判明している。60年代には全国に分布するアブラゼミが主流で、九州や四国などの暖地を好むクマゼミはまれだった。それがいまでは逆転しているという。

 卵のふ化と気候の関係を調べると、地球温暖化により、北側の地域でも増えやすい環境になったとみられる(沼田英治著「クマゼミから温暖化を考える」)。特に卵の成長が早まる「春の気温上昇がクマゼミにとって有利になった」。いまでは北陸でも声を響かせている。

 温暖化による「北上」といえば、こちらも気になるところ。梅雨末期の豪雨災害。ことしも九州北部から中国、北陸にかけ連日、大雨が続いており、被害が拡大している。

 この先は猛暑も悩ましい。地球規模の気候変動である。影響がセミの世界だけで済むはずもない。悠長にせみ時雨に夏の風情を感じている場合ではなさそうだ。

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