2023.07.11 08:22
高知新聞Plusはユーザーと高知県民の目線で発信―デジタルPlus
高知新聞に載った“地だね”記事をほぼ全てアップし、多彩な限定記事も見られる本紙ウェブサイト「高知新聞Plus」。毎月、この「デジタルPlus」紙面の下部で前月の閲覧状況を解説していますが、記事配信チームは7月から新たな解析ツール「GA4(グーグルアナリティクス4)」を本格的に運用しています。この機会に毎日・毎月のアクセス分析や記事のおすすめ方法など、舞台裏をご紹介します。
■波に乗せる
GA4は、米IT大手グーグルが提供する無料解析ツールです。ユーザーによってパソコンやスマートフォンなどでウェブページが開かれると、その情報が解析用のデータベースに送られ、集計されます。1世代前のアナリティクスから衣替えしましたが、分析できる領域は変わりません。ユーザーの年齢層や性別、サイト内でどんな記事を読んだのかだけでなく、どの地域からよく見られているかも分かります。
配信担当者が目を光らせてきたのは、アナリティクスの「レポート」画面。今どの記事が何人に見られているのか、次々に表示されては入れ替わります。リアルタイムにこだわるのは、世間の関心に乗り遅れないためです。
4月からはNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」がスタート。平日は放送開始時間の午前8時や午後0時45分が近づくにつれて、関連記事へのアクセスがじわじわ伸びていきます。この波に高知新聞ならではの記事を乗せることで、ユーザーはよりドラマが楽しめ、Plusは閲覧回数を増やすことができます。
GA4で特に注視しているのが各記事の閲覧時間。工夫して書いた記事は、じっくり楽しんでもらいたいものです。関連記事も併せて楽しんでもらえるよう、段落と段落の間やキーワード自体にリンクを貼ることもあります。ぜひクリックしてみてください。
GA4には「スクロール」という指標が加わりました。ページの最下部90%以上まで行き着いた回数を表します。6月によくスクロールされたのは、らんまんで田邊教授を演じている要潤さんのインタビューや、牧野富太郎博士を称賛した植物学者マキシモヴィッチについての復刻記事など。じっくり読まれるための構成は? 続きが気になって次々スクロールされるのはどんなネタ? 分析を重ねて傾向をつかみ、取材記者とノウハウを共有する考えです。
■ランキング
もう一つの工夫は、記事のおすすめ順位設定です。おすすめ記事はPlusのトップページで、他の記事より一回り大きなサムネイル(記事の中身を端的に表すイメージ画像)を使っています。記事を効果的に推して閲覧回数を伸ばすのも配信担当者の腕の見せどころです。
決め手の一つがアクセスランキング。パソコンであればトップページ右下を見てください。スマホの場合はしばらくスクロールすると、ランキングが出てきます。どの記事がよく見られているかを頭に入れ、上位に表示するものを決めています。
一方で報道機関としての使命があるので、ランキングを度外視することもあります。「伝えるべきだ」と信じた記事は特におすすめしていきます。配信担当者は県民読者と同じ地域に住み、県外の高知ファンとつながることも願っています。読者やユーザーの目線や体感を大切にしながら、使い勝手の良いサイトを目指していきます。(藤枝武志)