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2023.07.07 08:00

小社会 七夕の願い

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 ささの葉さらさら、軒端に揺れる七夕飾りは、この季節の風物詩だ。JR高知駅にも園児らの飾り付けが改札の向こうに。子どもたちはどんな願い事を短冊に書いただろう。

 牽牛(けんぎゅう)と織女が年に1度会う伝説と、裁縫の上達を星に祈る「乞巧奠(きっこうでん)」の習俗は、奈良時代に中国から伝わったとされる。寺子屋で学ぶ子どもたちが書道の上達を願う短冊を作るようになった江戸時代に、庶民にも広がった。

 国立天文台長だった故海部宣男さん著「天文歳時記」には、江戸期には七夕の情景の句が多いとある。〈むつかしき川にしておく天の川〉。見えるのは家族だんらん。皆で星を眺め「天の川って何?」。子どもの質問にたじたじになる親の姿か。

 ただ、その頃は今の8月に当たる旧暦の行事。新暦の七夕は梅雨が明けず、雨空の夜も多い。海部さんは、七夕だけは「昔の伝統(旧暦)に帰ってはどうだろう」。星を眺めるだんらんを大切に思うが故の提案だろう。

 国の調査で昨年、18歳未満の子がいる世帯数が初めて1千万を下回った。急がれる政権の少子化対策も財源は不透明なまま。中山間対策と一体で「ギアを上げる」という浜田知事も、まだギアが入りにくいのでは。

 過日、地域のお年寄りと飾りを作った土佐山学舎の記事があった。生徒は「コロナ禍で会えなかった地域の人に、七夕のおかげで会えた。うれしい」。家族や地域のつながりが末永く続きますように。

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