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2023.06.22 08:37

氷室まつり再開断念 メンバー高齢化、コロナ禍も…氷献上は続行 高知県いの町本川の名物行事

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2015年7月に行われた「氷室まつり」。本川地域の名物行事が存続の危機を迎えている(いの町越裏門)

2015年7月に行われた「氷室まつり」。本川地域の名物行事が存続の危機を迎えている(いの町越裏門)

 いの町本川地域の名物イベントで、3年連続中止されている「氷室まつり」の実行委員会は、今年の再開を断念した。新型コロナウイルスの収束で復活を期待する向きがあったが、運営を担うメンバーの高齢化や人手不足で、従来の500人規模でのイベント開催は難しいと判断したため。1991年から29回続いた恒例行事が幕を下ろす可能性もある。

 藩政時代、土佐藩主に氷を献上したとの伝承に基づく催し。2月に手箱山(標高1806メートル)8合目の氷室に貯蔵した氷を7月のまつり当日に取り出し、吉野川の河原では地元特産のキジ肉のバーベキュー、アメゴの塩焼き、氷を浮かべた飲み物を味わう。例年、町内外から大勢の客が集う地域最大のイベントだった。

 当初は30人ほどいた実行委の実動メンバーは、年を重ねて半減。これまでもイベントのたびに「しんどい」「たいそうな」との弱音が聞かれたが、気持ちを奮い立たせてイベントを続けてきた。そこへ2020年以降のコロナ禍での中止が追い打ちとなったという。

 今年は2月に氷詰めの作業を実施。以前から手伝う町本川総合支所産業建設課が全面バックアップを提案したが、実行委の和田守会長(69)は「準備は大がかりだし、あまり役場に頼ると住民主体のイベントとは言えん、との思いもあった」とし、3月の協議で中止を決めた。浜田省司知事を藩主に見立てて氷を献上するイベントは実施する。

 和田会長は「規模を縮小して実施する可能性はあるが、高齢化が進む地域でマンパワーには限界がある。申し訳ないけんど時代の流れ。次の2月の氷詰め作業もどうなるか分からん…」ともどかしげに話した。(谷川剛章)

氷取り出し作業 登山者募集
 氷室まつり実行委員会は7月16日、手箱山の氷室から氷を取り出す登山者25人を募集している。締め切りは同5日。

 当日は午前6時半、越裏門公民館に集合。約2時間登り、貯蔵された氷を取り出して同公民館に運ぶ。下山後は地元住民が用意した昼食を味わう予定。申し込み、問い合わせは町本川総合支所産業建設課(088・869・2115)へ。

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