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2023.06.16 08:00

小社会 議席、いりますか?

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 アントニオ猪木さんがやっていた「闘魂ビンタ」の発祥は三十数年前、東京の予備校だという。ファンの生徒が「腹を殴らせてください」。快諾した猪木さんだが、思いのほか強烈な一撃がきたので、思わず張り手を返した。

 生徒は「ありがとうございました」。その後、志望校に合格したため「縁起物」になったとか。以来、闘魂を注入された人は数知れず。これは猪木さんというカリスマと、喜ぶ人がいて初めて成立する名物芸だったろう。

 こちらの「気合を入れる意図」は全く事情が異なる。自民党、高野光二郎参院議員(徳島・高知選挙区)の私設秘書への暴行が報じられた。議員と秘書という優越的な関係を背景としたパワハラ、中でも論外の暴力と映る。

 「胸の辺りをたたくつもりが、鼻に当たった」。高野氏の釈明だが、鼻血が出るほどの勢いでたたこうとしたこと自体が暴力行為だ、という県連の見解の方がうなずける。党の処分、政治家自らの身の処し方はどうなるか。

 ことしは徳島・高知区に絡む問題が続く。合区が導入され「特定枠」で当選した三木亨氏が、徳島県知事選に出馬するため議員辞職。両県とは関係ない人物が繰り上げ当選し、候補を出せない地域の救済を自ら放棄した形になった。

 本県では合区の解消を求める声が大きい。そこへ当該議員の自覚なき行動が重なる。「議席、本当にいりますか?」という目で見られないか心配になる。

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