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2023.06.06 08:00

小社会 カエル

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 きょうは「かえるの日」なのだという。日付が「ケロ(6)ケロ(6)」と読めるかららしい。語呂合わせとしては強引さも感じなくはないが、時季的にはぴったりのようだ。

 水が張られた田んぼや水路では、アマガエルがにぎやかに鳴いている。オタマジャクシも泳ぎ回る。折しもきょうは二十四節気の一つ「芒種(ぼうしゅ)」。伝統的には田植えを始める頃とされる。

 人はカエルに田んぼというすみかを与え、カエルはイネの害虫を捕食する。その共生の現場が日本の原風景にもなってきた。ところが数日来、双方の関係を巡る県外のある出来事が交流サイト(SNS)やネットニュースをにぎわせている。

 それによると、田んぼのそばに農家への苦情文が置かれていた。「近隣住民より」とあり、カエルの鳴き声が「煩(うるさ)くて眠ることができず非常に苦痛」という。「騒音対策のご対応お願いします」とあった。

 カエルの合唱を毎日BGMに眠りに就く小欄などは「騒音」という捉え方にびっくり。もちろん音の感じ方は人それぞれだ。つらい思いをされているのだろう。それでも罪なきカエルの駆除を求めるのはどうかと…。

 実は2年前、東京でカエルの騒音裁判があった。男性が隣家に池のカエルの駆除と損害賠償を求めたが、東京地裁はカエルの声は「自然の音の一つ」として棄却した。池の命は救われたが、どうやらカエルもおちおち鳴いていられない時代らしい。

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