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2023.06.04 08:00

小社会 どうする高知家

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 テレビ、新聞、インターネット…、きょうもメディアの広告にさまざまなコピーが躍っている。これは秀逸と感心する作品もあるけれど、情報過多のこのご時世、すぐ消えるものが大半かも。 

 その意味では、なかなかの息の長さと言えるだろうか。「高知県はひとつの大家族やき」と、軽やかに広末涼子さんが「高知家」キャンペーンを発表したのは10年前のきょう。高知家は10歳になった。 

 家って何? そんな論争も当初はあったが、いまや、地場産品や土産物に当然のようにロゴが入り、この3文字を冠に付けたイベント、取り組みも多い。高知の景色にすっかりなじんだ感がある。 

 改めて眺めて、なるほど完成度の高いコピーである。県名に「家」の1文字を加えただけだが、「家」が持つ語感とその広がりで、シンプルなのに奥行きが出る。いろんな場面で使える汎用(はんよう)性があるのも定着した一因だろう。

 もっとも、定着とマンネリは裏表だ。新味欲しさに以前、「高知家にはポジティブ力がある」と凝ったコピーを掲げ、分かりにくいと批判も出た。浸透するほどに新たな切り口を出しづらいジレンマがあり、公費で毎年キャンペーンを打ち続けるのかとの議論もある。キャッチコピー風に言えば、どうする高知家?といったところか。 

 取り組みに慣れると、とかく初心も忘れがちだ。高知家に名前負けしないような「人のつながり」も思い返したい節目である。

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