2023.05.31 08:00
小社会 梅雨入り
別名を梅雨葵(つゆあおい)という。茎は大人の背丈よりも高く直立し、梅雨のころ下段から咲き上る。天保年間の書物「世事百談」には「花葵の花咲(さき)そむるを入梅とし、だんだん標(すえ)の方に咲終(おわ)るを梅雨のあくるとしるべし」とある(講談社学術文庫「雨のことば辞典」)。
つまり梅雨入りのころ咲き始め、てっぺんまで咲くと梅雨明けのころといわれる。もっとも、久万川沿いのタチアオイはもう最上部の方が咲いているものも。いわば、気の早い組だろうか。
高松地方気象台が一昨日、四国地方が梅雨入りしたとみられると発表した。気象庁の資料では、5月の梅雨入り自体はさほど珍しくはない。ただ、警戒すべきは気の早い台風2号だろう。まだ5月というのに大型で強い勢力。沖縄の南の海上を進んでくる。
近年、西日本豪雨をはじめ毎年のように大雨による悲劇が相次いでいる。気象庁は昨年6月、線状降水帯の半日前予報を開始。今月からはその発生を伝える「顕著な大雨に関する気象情報」を最大で30分早く発表する運用を始めた。ともかく「早め早め」の行動を促している。
気候変動もあるのか。昨今は季節の変化も早め早めと感じる。災害への備えも気が早いぐらいがよさそうだ。