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2023.05.22 08:00

小社会 戦時の大統領

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 俳優の演技が大げさで、英語が聞き取りやすい。大学時代、そんな理由で語学の教材が米SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」になった思い出がある。ご存じ、公開当時の1985年から55年にタイムスリップする話だ。

 映画の序盤。主人公のマーティが未来から来たとは信じられない55年の科学者ドクは、85年の大統領は誰かと尋ねる。「レーガンだ」。ドクは「俳優の?」と鼻で笑う。無理もない。50年代のレーガン氏はB級の映画俳優だった。

 ウクライナの人々もゼレンスキー大統領に対して、当初は似たような視線があっただろうか。もともとは人気のコメディアン。平凡な歴史教師が大統領になって、汚職や新興財閥の実業家と闘う主演ドラマも人気を博した。

 本物の大統領に就いた4年前のスーツ姿の写真と比べると、人相が随分変わっている。「戦時の大統領」になって1年3カ月。おなじみになった無精ひげにカーキ色の服で広島空港に降り立つと、先進7カ国首脳会議の「主役」に躍り出た感もあった。

 来日の狙いは、武器支援の強化とロシアの独裁者に核兵器の使用、威嚇は許されないと発信するためだとされる。21世紀のヒロシマから、それを演出せざるを得ない現実に理不尽を思う。

 ウクライナによる反転攻勢は間近といわれる。時代錯誤の侵略戦争はいつ終わるのか。さらに犠牲者が増えていく不幸な未来ならば修正したいものだが。

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