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2023.05.21 08:00

小社会 丸くまとめる

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 お好み焼きといえば、いわゆる「大阪風」と「広島風」が代表格だろう。溶いた小麦粉にキャベツや肉などをまぜ込んで焼く大阪に対し、広島はまず生地を焼き、上に具材を重ねていく。

 対照的だが、実はいずれの焼き方も始まりは東京という。それどころか、お好み焼きそのものが東京発祥の食べ物らしい。大阪や広島のイメージが強く、にわかには信じがたいが、近代食文化研究会著「お好み焼きの物語」にある。

 明治期、東京で洋食店がはやった。ところがテーブルマナーがあり、値段も高かったため、同じようにキャベツや肉、ソースなどを使い、気軽に食べられる屋台料理が登場した。それがお好み焼きの前身という。

 「一銭洋食」と呼ばれた地域もあり、洋食を意識していたのが分かるが、内容的には和洋折衷だ。しかも大阪風にしろ広島風にしろ、いろいろな具材を巧みに丸い形にまとめ上げる。日本人らしい料理かもしれない。

 広島で先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が続いている。議長は地元選出の岸田首相で、お好み焼き好きとして知られる。日頃は何かと議論不足が指摘されるが、サミットでは対中ロ政策など各国の思惑が複雑に絡む問題に向き合う。丸くまとめ上げることができるのか。

 きのうは裕子夫人が各国首脳の配偶者にお好み焼きの焼き方を伝授するなど結束を演出。首相をサポートしたようだ。サミットはきょう最終日である。

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