2023.05.17 08:35
東京で高知への関心上昇 アンテナショップに朝ドラ「らんまん」効果 牧野庭園もにぎわい、来園者新記録
「まるごと高知」に設けられた牧野博士のコーナー(東京都中央区)
「らんまん」の放送開始後、大勢の人が訪れている牧野記念庭園(東京都練馬区)
「まるごと高知」では昨年10月、地下1階に特設コーナーを開設。植物図のポストカードや自伝などの書籍、酒や菓子などを並べている。訪れた人が2階のレストラン「TOSA DINING おきゃく」で食事をすることも多く、今月6日には過去最高の86万円を売り上げた。
これまで1日数件だった県内の観光案内も、4月以降は平均で10件を超えており、まるごと高知を運営する県地産外商公社の広報担当、野戸昌希さん(45)は「朝ドラで高知に興味を持ち、『実際に行ってみたい』という人がすごく増えたのを実感している」とする。
牧野博士の自宅跡にある記念庭園は、約2600平方メートルの庭に300種類以上の草木が育ち、博士の息吹を感じられる施設として人気だ。朝ドラの放送開始後には博士が特に愛したバイカオウレンやセンダンが咲き、「らんまん」の世界を体感できた。
4月の来園者は1万8339人と前年の3・7倍、今月3日には1735人が訪れた。それぞれ、記録の残る2007年以降で月間と1日の最多記録。区の担当者は「あらためて、朝ドラの影響力のすごさを実感しています」。
好機を生かし、県内の自治体も動く。14日に練馬区で開かれた「照姫まつり」には県や高知市に加えて、佐川町と越知町もブースを構え、町内の見どころをPRした。訪れた会社員の女性(31)は「高知はすごく遠い印象だったけど、『飛行機だと1時間半です』って聞いて、行きたくなった」と話す。
「―まつり」には毎年約10万人が訪れるといい、佐川町まちづくり推進課の岡田秀和課長は「祭りの規模が高知とは違う」と驚きながら、「朝ドラで注目が集まり、町は今が旬。練馬区とも連携して町を売り込みたい」と意気込んでいた。(浜崎達朗)