2023.05.12 05:00
小社会 おもてなし課の「初心」
ほぼ全編、地元ロケ。映画が高知を大いに発信し、「龍馬伝」から勢いづいていた観光客誘致に貢献したのは言うまでもない。もう一つ意義深いのは、観光に疎かったお役所が、もがきながら前に進もうとするストーリーか。それは実際の足跡でもあり、観光振興の初心、原点のようなものを思い起こさせる作品でもある。
観光業界はいま、新型コロナ禍という激震を経て仕切り直しの局面を迎えている。幸い本県は、NHK朝ドラ「らんまん」と重なった。追い風を最大限に生かしたい。
本県初の定期国際空路となる台湾からのチャーター便の運航も始まった。こちらは何とかインバウンド(訪日客)観光の起爆剤にしたいものだ。
なにしろ、コロナ禍前の年の宿泊者数で本県は全国最少だった。定期便の長期化は、リピーターを獲得できるかどうかが鍵になる。インバウンド後進県がやることはまだまだある。
映画では、レジャーランド構想が一時棚上げされ、主人公の2人が国分川に向かって「仕事してーぞー」と叫びあう。少しくすぐったいが、観光への情熱が響く純粋なシーンでもある。関係者の方々は、見返してみるのもありかと。