2024年 04月30日(火)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.05.12 05:00

小社会 おもてなし課の「初心」

SHARE

 高知をまるごとレジャーランドに―。高知市出身の有川ひろさんの小説「県庁おもてなし課」は、そんな構想の実現へ奮闘する職員を描く。作品は若手人気俳優2人を配して映画化され、きのうで封切りからちょうど10年だった。

 ほぼ全編、地元ロケ。映画が高知を大いに発信し、「龍馬伝」から勢いづいていた観光客誘致に貢献したのは言うまでもない。もう一つ意義深いのは、観光に疎かったお役所が、もがきながら前に進もうとするストーリーか。それは実際の足跡でもあり、観光振興の初心、原点のようなものを思い起こさせる作品でもある。

 観光業界はいま、新型コロナ禍という激震を経て仕切り直しの局面を迎えている。幸い本県は、NHK朝ドラ「らんまん」と重なった。追い風を最大限に生かしたい。

 本県初の定期国際空路となる台湾からのチャーター便の運航も始まった。こちらは何とかインバウンド(訪日客)観光の起爆剤にしたいものだ。

 なにしろ、コロナ禍前の年の宿泊者数で本県は全国最少だった。定期便の長期化は、リピーターを獲得できるかどうかが鍵になる。インバウンド後進県がやることはまだまだある。

 映画では、レジャーランド構想が一時棚上げされ、主人公の2人が国分川に向かって「仕事してーぞー」と叫びあう。少しくすぐったいが、観光への情熱が響く純粋なシーンでもある。関係者の方々は、見返してみるのもありかと。

高知のニュース 小社会

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月