2023.05.12 08:33
蛍火織りなす森の銀河 土佐清水市の山中にヒメボタル
夜空に舞い上がるヒメボタル。約1時間の光跡を重ねると、銀河のような世界が広がった(土佐清水市内)
夜のとばりに包まれた森の中で、小さな命が輝いた。土佐清水市の山中でヒメボタルが舞い上がり、はかなくも美しい光が揺らめいている。
「森のホタル」と呼ばれ、陸上で過ごすヒメボタル。ゲンジボタルなどと違い、ちかちかと短い点滅を繰り返す。
午後8時ごろ。暗闇の中、動物たちの鳴き声と、風にかさかさ揺れる葉音だけが通り過ぎていく。
一つ、また一つ…。黄金色の瞬きを見つけたかと思うと、あっという間に無数の蛍火が森一帯をたゆたい、まるで満天の星をばらまいたよう。その景色は、銀河のような世界を織りなしている。
夜が更けるにつれ、華やかな瞬きも、やがて遠い空へ消えていく。静かな夜が再びやってきた。(小笠原舞香)