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2023.05.11 08:00

小社会 午前10時の季節

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 ここ数日の晴天や万緑を見ていると、風薫る、美しき5月という形容が浮かぶ。お天気博士、故倉嶋厚さんの表現は面白い。1年を1日にたとえると、「5月は午前10時の季節」だという。

 日は中天に近くて明るく、まだ長い午後がある。先に何かいいことがあるようで、たとえ悪いことが立ちはだかっても、それを突破できる活力に満ちている(「季節の366日話題事典」)。暦の上ではもう夏。倉嶋さん流にいえば、これから季節は「正午」や「午後」に向かう。

 大型連休前の国会で、気になる法律が成立した。改正気候変動適応法。いまの熱中症警戒アラートの一段上に来年以降、特別アラートを新設。市町村は冷房を備えた避難施設を指定して、発表されれば一般開放するという。

 熱中症とは気が早いと言うなかれ。連休の終盤、群馬や東京では気温が30度以上の真夏日を記録している。年々高まっていくリスク。日本気象協会などはすでに、暑くなり始めの頃から無理のない範囲の運動で暑さに体を慣れさせる予防法を呼び掛けている。

 それにしても、リスクの根本にある地球温暖化対策の道筋がはっきりしない。科学的にはこの先10年が「決定的に重要」。足を引っ張っているのは石炭火力発電に固執する日本だそうだ。来週の広島サミットにはどう臨むのだろう。

 熱中症も温暖化も、突破する手は打っておかなければ。まだ「午前10時」だと思えるうちに。

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