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2023.05.09 08:31

いにしえの遍路道を記録に 切り絵の池知さん(南国市)写真集

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遍路道の風景を収めた写真集「へんろみち」

遍路道の風景を収めた写真集「へんろみち」

 南国市の切り絵作家、池知隆さん(72)=大そね甲=がこのほど、四国霊場八十八カ所の遍路道を記録した写真集を出版した。山中や民家の合間に延びる参道など、静かで穏やかな風景のモノクロ写真122枚が収められており、「遍路道を歩いている気分を感じてもらいたい」とPRしている。

 池知さんは20代から切り絵に取り組み、国際切り絵トリエンナーレ展の優秀賞など多数の受賞歴がある。1987~94年に四国霊場を巡礼し、当時の様子を切り絵と文でつづった「切り絵お四国」を93年4月~94年12月に高知新聞で連載した。

 写真集「へんろみち」は昨年末までに遍路で撮影した写真のうち、木々に覆われた参道や道中にたたずむ廃屋、お遍路さんなどの風景を収録。池知さんは「遠近や光と影のバランスなど、構図的に絵が描ける風景をまとめた」という。

 2004年に亡くなった母、操さんの誘いで始めた遍路の魅力を「ゆっくりとした時間の中で、仕事や日常について自問自答し、自分と向き合える」。写真集には長い歳月の中で撤去された古民家や大雨で崩れた遍路道など、今は見られなくなった風景もあり、「いにしえの遍路道を記録として残したい」と昨秋に出版を思い立った。

 高知新聞総合印刷発行、税込み3520円。金高堂など県内の書店で販売されている。(海路佳孝)

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