2023.04.06 17:22
ウクライナ核放棄「後悔」 覚書署名のクリントン元大統領
ハンガリーの首都ブダペストで、ウクライナの安全保障に関する文書に署名するロシアのエリツィン大統領(左から2人目)と米国のクリントン大統領(右端)=1994年12月(タス=共同)
【キーウ共同】米国やロシアなどが、1994年にウクライナの核兵器放棄で合意した「ブダペスト覚書」に関し、米側の当事者だったビル・クリントン元大統領が6日までに、ウクライナが現在も核兵器を保持していれば、ロシアが侵攻することはなかったとの認識を示した。放棄を促したことを後悔していると述べた。アイルランドの公共放送RTEがインタビューを報じた。
クリントン氏は「ウクライナは、核兵器が領土拡張主義のロシアから自国を守る唯一のものだと考えていた」と指摘。ウクライナは核兵器放棄を恐れていたが「私が同意させた」と振り返った。
ウクライナは94年1月、戦略核のロシア移送と全面廃棄を7年以内に完了することで米ロと合意。同12月に核放棄と引き換えにウクライナの独立と主権、領土を尊重し、安全保障の約束をロシアと米英が確認したブダペスト覚書に署名し、核拡散防止条約(NPT)にも加盟申請した。
91年のソ連崩壊時に約1800発の核弾頭などを保有していたウクライナは96年までに全てをロシアに移送した。