2023.04.05 04:26
アイシング、軽いけがに有効 重いと回復阻害、神戸大
氷で患部を冷やす「アイシング」
氷で患部を冷やす「アイシング」は、けがの程度が軽い場合は筋肉の回復を促すとの研究結果を神戸大の荒川高光准教授らのチームが5日までに発表した。チームによると、これまでアイシングの効果について十分な科学的根拠は示されていなかった。
けがの程度が重いと逆に回復を阻害することがチームのこれまでの研究で分かっており、荒川准教授は「どこまでの損傷ならアイシングが有効か、線引きを検討することが重要」としている。
スポーツで起きるけがは、筋線維の損傷が10%以内の比較的軽いものが多い。チームはラットで実験。脚の筋線維の約4%を傷つけた後、袋に氷を入れて30分のアイシングを2時間ごとに1日3回実施。これを損傷させた日と1日後、2日後の3日間繰り返した。4%はマラソンなどで起こりうる損傷と同程度という。
損傷の2週間後に筋肉を観察すると、アイシングしたマウスは、しなかったマウスよりも再生が進んでいた。免疫細胞「炎症性マクロファージ」の活動が弱まっていることが判明、詳しいメカニズムを今後調べる。