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2023.04.01 08:00

小社会 新年度スタート

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 高知市の桜の「満開」宣言から1週間余り。ことしは早々に花が終わるかと思ったら、同じ地域でもずいぶんと違いがあるらしい。今ちょうど見頃を迎えている木が多い。

 ソメイヨシノは接ぎ木で増やす、いわゆるクローンであるため、一斉に咲きやすいといわれる。ところが実際は、個体差やちょっとした環境の違いで、開花や咲き方が変わるようだ。

 同じことが花びらの色にもいえるという。四国では白に近いが、北海道や東北では薄紅紫。勝木俊雄著「桜の科学」によると、「光と温度が大きく影響」しているのだとか。咲いた後も一様でなく「開花後に気温の低い日が続くと、花弁の赤みは強くなります」。

 クローンの桜でさえ違いや変化があるのだから、人となると、見た目も性格も得意分野も千差万別だ。調子がいい時、悪い時もある。努力は欠かせないが、多様性や個性を認め合い、縦に横に助け合う。そんな社会でありたい。

 きょうから4月。新年度がスタートした。学校や職場、地域に新しい仲間が加わる。かつての自分を振り返ると、自信がなく、失敗を重ねる不安な毎日だった。周りの助けがあって、なんとかやってこられた気がする。

 田植えの季節でもある。先日、荷台に稲の苗をたくさん載せた車を見た。荷崩れしないようゆっくりと運転していた。若い人材を迎え入れた私たち。新年度もバランスを保ち、いたわりながら走り出したい。

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