2023.03.29 08:40
〝牧野商戦〟が花盛り! 切手やクリーム入りクッキー どれ買う? 4/3「らんまん」スタート
日本郵便四国支社が作った牧野富太郎博士にちなむ切手
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牧野博士の関連商品が多く並ぶ「nonoca」(高知市五台山の県立牧野植物園)
「素晴らしい。本当の図鑑のようですね」。24日、県庁で日本郵便四国支社から贈呈されたフレーム切手に山脇深・県観光振興部長が目を細めた。
この日発売された84円切手10枚組みのシート(税込み1330円)は650シート限定。佐川町のバイカオウレンや仁淀川町のヤマトグサなど県内で見られる植物の写真や、博士の植物画があしらわれた。「牧野博士の新休日」博の応援にと企画。一部の簡易郵便局を除く県内郵便局と四国内の各中央郵便局で販売されているが、すでにほぼ完売という。
同社は2月にも同博ロゴを入れた段ボール2千箱を作成。無料配布すると「想像以上の人気ぶり」で、1週間ほどではけたという。そこで4千箱を追加発注し、今月上旬に配布を再開した。高知中央郵便局の川口貴雄総務部長は「各地の郵便局から高知を盛り上げ、県外にもPRしたい」と意気込む。
薬用植物トウキを使った浜幸のクッキー「花と恋して」
浜幸(高知市大津乙)はクッキー「花と恋して」(1個税込み150円)を発売。漢方薬でも使われる植物「トウキ」を使った淡い緑のクッキーに、県産ユズのクリームを挟んだ。
開発には県立牧野植物園が協力した。同園が大豊町で民間企業や住民と試験栽培しているトウキを活用。薬には使わない葉や茎をすりつぶして生地に練り込んでおり、すっきりした香りのトウキと爽やかなユズのハーモニーが絶妙だ。
担当者は「菓子ではなじみがない原料なので心配もあったけど、出だしは好調。花に恋い焦がれ、自分を貫いた牧野博士の人生に思いをはせて」と熱を込める。朝ドラが始まる4月3日からは胴乱型の特別パッケージ(3個入り税込み648円)も発売予定だ。
「みんなでまきのさんプロジェクト」の商品(県庁)
複数企業が横断型で取り組んだ企画も。香美市の梅原デザイン事務所が発案した「みんなでまきのさんプロジェクト」は県内13企業・団体がコラボ。牧野博士を象徴する帽子やちょうネクタイのモチーフを鮮やかな色合いで描いた共通デザインを使い、Tシャツやブックカバー、手拭いや菓子などを順次販売・配布している。
3月下旬に開かれた記者会見では、参加者らが「全国的にはあまり日の目を見ることがなかった牧野さんに注目が集まる機会。足元からもっと魅力を広めたい」「コロナ禍からの県観光復活の起爆剤に」と思いを語った。同プロジェクトは今後も参加企業を募集していくという。
〝牧野熱〟は売り手だけでなく、買い手側にも高まっているようだ。
博士や植物のイラストをあしらったおしゃれな手拭い、花の形の和三盆や、眼鏡拭き…。県立牧野植物園(高知市五台山)で植物や土産物などを扱うショップ「nonoca」には、牧野博士や植物に関する商品がずらり並ぶ。平日の午前にもかかわらずレジの前には買い物客の列ができ、訪れた人は陳列棚の前で「どれもかわいい」「(博士は)愛されてるんだね」と足を止めていた。
昨年は博士の生誕160年だったこともあり、「昨春から牧野さんに関する新商品が増えた」と同店スタッフ。「お客さんも2、3割増えた印象で、通販も好調。放送が始まったらどうなるのか怖いくらい。期待してます」
ほかにも本紙既報の通り、牧野博士のキャラクターをあしらった菓子缶やパン、博士が愛したコーヒーを使ったクッキーなどなど、もりだくさん。〝牧野商戦〟は、百花繚乱(りょうらん)だ。(森田千尋)