2024年 05月06日(月)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

2023.03.21 08:39

4人娘「本物」で育てる―高知(ここ)に住まう 第6部 食と暮らしのカタチ(1)

SHARE

5人で囲む夕食は野菜中心でシンプル。時に「ふりかけ」も(高知市北部)

5人で囲む夕食は野菜中心でシンプル。時に「ふりかけ」も(高知市北部)

「食」が広げる豊かな営み
 高知市中心部から北へ車で45分。鏡川の支流沿いからさらに山の細道を進むと、斜面が開ける。ニワトリが土をつつき、古民家の煙突から煙が上がる。

 ポーランド出身のアリシア・カーンさん(42)と娘4人の住まい。夕食時。大きな窓から漏れた明かりが暗闇を照らしている。

 「はーい。こんばんは」

 木製の玄関を開けると、そこはキッチン。屋根や骨組み以外は手作りしたお気に入りの空間で、まきストーブが暖かい。カウンター式テーブルで子どもたちは宿題をしたり、本を読みふけったり。

 「ごはんはできたけど、妹の宿題がまだ終わってないの…」。長女のマヤさん(15)が苦笑いでテーブルを片付ける。末っ子のアミリアちゃん(8)が鉛筆を手に「にっ」と笑った。

アリシアさん一家が暮らす山の家

アリシアさん一家が暮らす山の家

 アリシアさんの教えは「食べ物には本物と偽物がある。自分の体はごみ箱じゃないから、栄養のある本物を食べること」。野菜は周囲の畑で育てるほか、毎週土曜日に県立池公園のオーガニックマーケットで1週間分を買い込む。

 料理はシンプルで、野菜を蒸し焼きにして煮出したスープが定番。昆布だしも使うし、自宅前の梅は梅干しに、ユズの季節は果汁を搾って冷凍する。みそも近所の友人に習って自作する。

 この日はマーボー豆腐に五分づき米、産みたてのゆで卵。進学先のこと、学校のこと。話題の尽きない食卓が広がった。

この記事の続きをご覧になるには登録もしくはログインが必要です。

高知のニュース 高知市 高知に住まう

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月