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高知新聞PLUSの活用法

2023.03.21 08:00

小社会 未来と過去の砂

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 四万十市中村のホテルの大浴場に、小さなサウナ室があった。まあ2人までだろう、というスペースである。壁には古びた砂時計が掛けられていた。

 砂時計をひっくり返す。テレビもない静まり返ったサウナ室で、じっと砂時計を見つめる。〈ああ時はさらさら流れているよ〉。オフコースの歌のフレーズもよみがえる。未来という時間をまとった砂が、さらさらと落ちていき、過去という時間をまとった砂が降り積もっていく。

 サウナ室の熱気の中にあって、砂が表象する時間の流れを静かに眺めていると、砂時計とは実に哲学的なものだなあと思う。自分の「未来の砂」はどれだけ残されているのだろう。そして降り積もった「過去の砂」は有意義なものだっただろうか。

 けれど、やがてこんなふうに思うようになる。砂時計が砂時計であるためには、未来と過去の砂は欠かせないものではあるが、とても大切な機能は未来と過去の砂の通路である「くびれ」にあるのではないか、と。

 「くびれ」は健やかでなければいけない。詰まってしまえば時は止まってしまう。多過ぎず少な過ぎず、その分をわきまえた量をもって、淡々と落ちていかなければいけない。「くびれ」は未来でも過去でもない現在の時間である。

 砂時計はひっくり返すことができるが、私たちの人生はそうもいかない。いま自分の人生の時間は健やかに流れているか。砂時計に問うてみる。


3月21日のこよみ。
旧暦の2月30日に当たります。つちのえ とら 三碧 先勝。
日の出は6時09分、日の入りは18時18分。
月の出は6時00分、月の入りは17時46分、月齢は28.8です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で6時04分、潮位177センチと、17時53分、潮位183センチです。
干潮は11時55分、潮位33センチです。

3月22日のこよみ。
旧暦の閏2月1日に当たります。つちのと う 四緑 友引。
日の出は6時08分、日の入りは18時18分。
月の出は6時31分、月の入りは18時54分、月齢は0.4です。
潮は大潮で、干潮は高知港標準で0時16分、潮位-1センチと、12時31分、潮位19センチです。
満潮は6時32分、潮位180センチと、18時37分、潮位185センチです。

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