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2023.03.17 08:40

「脱マスク」口元ケアに商機!? 高知県内、化粧品・エステ・歯ホワイトニングなど人気

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客が戻ってきた化粧品売り場。口紅の売り上げが伸びているという(高知市帯屋町1丁目の高知大丸)

客が戻ってきた化粧品売り場。口紅の売り上げが伸びているという(高知市帯屋町1丁目の高知大丸)

 新型コロナウイルス感染対策のマスクの着用が13日から個人判断となり、県内でも、これまで隠れていた口元や肌のケアに関心が高まっている。化粧品店や美容サロンなどは「脱マスク」の需要に期待を寄せている。

 「春なのでピンクや明るいオレンジがお似合いだと思います。マスクを外す機会も増えそうですしね」

 高知大丸(高知市帯屋町1丁目)1階の化粧品売り場。大手ブランドの販売員が口紅を手に塗って見せていた。この店ではコロナ禍が始まって以降、売り上げは6割まで落ち込んだが、2月に脱マスクの政府方針が示されてから8割ほどに戻った印象だという。

 客の多くが20~40代の働く女性。「3年ぶりに(口紅の)キャップを開けたらボロボロやった」「使わんなって全部捨てたき」と買い直しに来ており、スタッフの小松遥さん(37)は「高知の女性はもともとメークの手抜きをしない傾向がある。コロナ禍で『仕事でもマスクの下はすっぴん』となっていた人が、再びメークを楽しみ始めているようです」。

 別ブランドの販売員も、年明けから商品の試し塗りを希望する客が増えていると明かす。以前は目元だけだったが、顔全体でのメークを希望するそうで「これを機に、改めて肌のお手入れを習いたいという方もいらっしゃいます」。

 40代の女性看護師は、昼食を共にした同僚が「口に色がなかったんで」と笑いながら、同僚に贈る口紅を選んでいた。

顔のエステを受ける人も増えているという(高知市はりまや町1丁目のポーラザビューティー高知はりまや店)

顔のエステを受ける人も増えているという(高知市はりまや町1丁目のポーラザビューティー高知はりまや店)

 顔のエステを受ける人も増えている。「ポーラザビューティー高知はりまや店」(同市はりまや町1丁目)では、2月の来店客が前年の1・5倍に。マスクの摩擦によるシミや口元のたるみに悩む人が、美白パックや引き締めの施術を受けに来るという。「ズーム会議で映ったマスク無しの顔にぎょっとした」「口周りがくすんでしもうた」「3年前はこんなほうれい線なかったに」という相談もあるそうで、担当者は「『隠れるきかまん』と手を抜いてたみたい。外す前に、どうにかしたいという気持ちが高まっている」と話す。

 身だしなみを気にするのは女性だけではない。

 ベスト電器高知本店(同市知寄町2丁目)では脱マスクを機に、美容に敏感な男性の需要を取り込もうと、さまざまな美容家電をまとめたコーナーを新たに設けた。男性向けのひげそりや鼻毛カッター、ミストや肌マッサージ機器をずらり並べた。まだ売り上げ増などにはつながっていないが、担当者は「暑くなって外す人が増えれば需要があると思う。口臭対策に電動歯ブラシも売れそう」。

 歯のホワイトニングも人気だ。「田岡歯科・矯正歯科クリニック」(同市鴨部1丁目)では2月末から、「マスクを外すときに備えて」来店する人が増えたそうで、経営者や営業職など男女問わず月10件程度の新規予約があるという。

 「いつでも自信を持って外せるように」と話す中村美帆さん(50)=南国市=は、2カ月のホワイトニングを終えたばかり。企業のセミナーや運動教室で講師を務めており「年齢を重ねていくと気になる部分が増える。人前に立つ仕事だし、久々にちゃんと顔を見せるのは怖いですね」。歯が白くなったことで若く見られることもあるそうで「3年ぶりに顔を見せたときに『前よりきれいになったね』って言われたいです」。

 同クリニックではマスク着用を機に、矯正治療を受ける人も年々増えていたそうで、歯科衛生士の女性は「コロナ禍で、美容と健康にお金をかける人が増えました」と話していた。

 街行く人を見れば、まだまだマスクを着用している人が多いが、その下では「脱」への準備が着々と進んでいる、のかもしれない。(浜田悠伽)

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