2023.03.16 08:38
身近で大物どっぱん のべ竿いっぽん【コイ釣り編】―魚信 はっぴぃ魚ッチ
街中で狙える大物ターゲットのコイ
あ、コイがいた。市街地の川で見掛けるコイはだいたい50センチ超、時に1メートル級も。あれをのべ竿で釣ったら面白いに違いない。興奮してきた。
高知市の街中を流れる川を訪れた。深さ1メートルもない浅瀬にうようよいる。こういう、見えるコイに好適なのが俗に言う「パンゴイ」。食パンをちぎって針に掛け、まき餌とともに水面に浮かべる釣り方だ。
竿は長めの5メートル前後、大物用に硬く強いものを選ぶ。道糸とハリスは通しでナイロンの3~4号、針は軸が太い伊勢尼の12~15号。浮きの代わりに釣具店で売っていたスーパーボールを糸に通し、ようじで留める。当たりを取るというより、仕掛けを投げやすく、浮きやすくするものだ。
餌はちぎった食パン。準備も手軽だ
何度目かの流しで、1匹が仕掛けに寄ってきた。食うか? 全てが見えているので、どきどきが半端ない。ひげのある口を開き、すうっとパンをのみ込んだ。
思い切り合わせた。硬い竿がぎゅんと曲がる。暴力的な引きに、とっさに膝を曲げて耐える。どっぱん、どっぱんと重く激しい抵抗。リールがあればドラグ調整でファイトが楽になるが、のべ竿はおのれの腕一本、体一つで戦うしかない。
相手も必死に泳ぎ回る。たっぷり5分かけるとやっとおとなしくなり、川べりにずり上げた。67センチ。堂々たる野ゴイだ。丁重に写真を撮って流れに返した。
食わせる妙味、やりとりを含めてエキサイティング! 何より、近場で手軽に大物とやり合えるのが素晴らしい。時間があったら、川へ通いそうだ。(本紙・ミョウ)