2023.02.23 16:20
グループホーム、制度不備改善を 知的障害者の子育て支援
「UCHI」のグループホームで暮らし、0歳の次男をあやす男性=22日、神奈川県茅ケ崎市
北海道江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」のグループホーム(GH)で結婚や同棲を希望する知的障害者が不妊処置を受けていた問題に関連し、育児を想定しない国の制度に不備があるとして、福祉現場から「早急な改善を」と声が上がる。
厚生労働省によると、障害者総合支援法はGHの入居者について「原則18歳以上の障害者」と規定する。地域で支援を受けながら自立生活を送ってもらうことが大きな目的で、成人が個室で生活することを想定。一方、GHでの子育てを想定した規定は存在しない。
障害者向けに特化した育児支援制度もなく、保健師による家庭訪問など一般的な福祉サービスを活用して対応するというのが国の立場だが、当事者のニーズに応え切れていないのが実情だ。
神奈川県茅ケ崎市のNPO法人「UCHI(うち)」のGHで、4歳と0歳の子ども2人を育てる男性(36)は、自身と妻に軽度の知的障害があり「(身近にいる)職員から子育ての仕方や、困ったときにどこに聞けばいいかを教えてもらわないと、分からない」と話す。