2023.02.21 16:27
戦時の祭典、悲運の歴史 パリ五輪へボイコット論も
IOCのバッハ会長(左)とウクライナのゼレンスキー大統領=2022年7月、キーウ(ウクライナ大統領府提供・ロイター=共同)
ロシアのウクライナ侵攻から24日で1年を迎える中、スポーツの舞台でロシア勢の復帰案に賛否を巡る論争が渦巻いている。「中立選手」として受け入れの検討に入った国際オリンピック委員会(IOC)に対し、ウクライナは猛抗議して来夏のパリ五輪ボイコットも示唆。過去にも戦争に振り回されてきた「平和の祭典」は、またも渦中に置かれている。
IOCが1月25日に方針を発表すると、一気に反発が広がった。ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシア選手の中立旗は血で汚れているのは明らかだ」と強く非難し、ウクライナ・オリンピック委員会は臨時総会を開いてボイコットの可能性を協議。国外からも批判が噴出した。
IOCは、国籍のみで差別されるべきでないとの五輪憲章の基本原則を強調。五輪切符獲得のため、アジアの大会でロシア勢を受け入れる異例の措置も準備が進むが、批判がやむ気配はない。
五輪はこれまでも戦渦のあおりを受け、日本も当事者となってきた。