2023.02.20 15:57
牛のげっぷのメタン削減へ 胃にセンサー、AI活用
北海道立総合研究機構の酪農試験場で、牛の呼気に含まれるメタンの量を測定する様子=北海道中標津町(同試験場提供)
牛のげっぷから排出される温室効果ガスのメタンを減らそうと、北海道大大学院の小林泰男特任教授らの研究グループ「牛メタン削減プロジェクト」が取り組んでいる。胃の中の微生物が餌の牧草などを分解する過程で出るもので、地球温暖化の一因とされる。メタン発生を抑える餌を見つけ、胃内のセンサーとAIによって効果的に投与。2050年までに排出量を8割減らすのが目標だ。
これまでの研究でカシューナッツの殻から抽出した油を飼料に混ぜると、水素がメタンではなく牛の栄養源となる「プロピオン酸」に変わるようになり、結果としてメタンの排出量が約2割減ることが分かった。