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2023.02.19 08:00

【龍馬マラソン】安心安全に復活させよう

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 きょう「高知龍馬マラソン2023」の号砲が鳴る。新型コロナウイルス禍のため2021、22年と連年で中止を余儀なくされ、3年ぶりに開催される。
 走りたい気持ちを抑えてきたランナーたちには待望の復活だろう。応援を楽しみにしてきた県民も少なくない。コースや沿道のあちこちで笑顔がはじけるに違いない。
 今回で9回目。土佐路の早春の風物詩に定着したビッグイベントの再開は、感染対策に注意しながら日常を取り戻す「ウィズコロナ」の象徴的な動きだとも言える。経済効果への期待が高いのも事実だ。
 中止期間が長引けば、運営ノウハウなどが途切れる恐れもあった。感染対策による制約で、おもてなしや交流の機会など条件が元に戻らなかったとしても、開催できれば次につながる。その意味でも23年大会の意義は大きいと言える。
 エントリー数は8007人で、定員の1万2千人には届かなかった。定員割れは全国的な傾向だという。コロナ禍で各大会が途切れる中、走る意欲がなえるなどし、出場を控える人が多いようだ。
 だとすれば今大会も、エントリーしたものの体力的な不安を持つランナーが少なからずいるかもしれない。専門家は「無理は禁物」と助言する。もちろん救護態勢は整備されているが、やはりランナーの自律的な意識と行動が重要だ。
 きょうは、気温がやや上がりそうだ。気象条件も体力に直結する。気を配ってほしい。
 感染状況に関しては、幸いにも下火に向かう局面と重なった。それでもリスクはある。油断はできない。
 主催者はさまざまな対策を講じ、ランナーには体調チェックシートの提出や検温などが課された。基本中の基本だろう。
 沿道の応援に対しては、密の回避やマスク着用を要請。ランナーとハイタッチはできないが、声出し応援は可能とした。関わる人全てに、責任ある対応が求められるのは言うまでもない。
 高知龍馬マラソンは、雄大な太平洋の眺望など魅力的なコース、温かい応援、個性的なエイド(水分や食べ物の補給所)を通じて全国的な評価が高まり、出場者が増えてきた。今回は、箱根駅伝で活躍する青山学院大学陸上部の部員も出場し、大会を盛り上げる。
 これからも高知県の重要な財産であり続けよう。だからこそ、安心・安全を確保し、スムーズな運営で3年ぶりの大会を成功させたい。
 ランナーも、自らに課した目標に向けてベストを尽くすとともに、雰囲気を楽しんでもらいたい。
 残念なのは、開催前、マラソンの警備業務の委託を巡って受注調整した疑惑が浮上していることだ。
 折しも、東京五輪・パラリンピックの運営談合が明らかになり、スポーツイベント開催時の利権が注目されている。法令違反があれば、大会の価値をおとしめる。しっかりとした調査と対応が不可欠だ。

高知のニュース 社説

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