2023.02.01 08:45
ポストと鳥居が赤いコラボ、なぜこんなことに? 東下町稲荷神社(高知県四万十市)―フォっトけないす
真下にポストがある東下町稲荷神社(写真はいずれも四万十市中村東下町)
それぞれの正式名称は東下町稲荷神社と中村下町郵便局のポストと、いたって普通。そんな二つによる異色のコラボ実現までにはいろいろな事情がありまして…。
2006年の東下町稲荷神社。当時、祭りの日には東下町商店街会館3階から地上へ下ろされていた(東下町商店街振興組合提供)
会館新築時、困ったことが持ち上がった。当時を知る友永幸雄・元組合理事長(69)は「ほこらを残す場所が足りなかった…」。かといって、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛の御利益がある神社を、商店街の外に移すわけにもいかない。それならば、と神社は会館内に置かれることになった。
「神様の頭上を歩くのは失礼」と、ほこらは最上階の3階に恭しく祭られた。が、今度は住民が気軽に参拝することが困難になった。「このままではもったいない」。友永さんは郵便局側の許可を取り付けて約15年前、現在のコラボを実現させた。
東下町稲荷神社に毎日水を供える友永幸雄さん
仰げば神がいて、下には紙を入れる穴がある。観光客にも「不思議な神社」と珍しがられるスポット。友永さんは「神社の来歴が分かる看板でも作った方が親切かなあ」と笑った。(幡多支社・河本真澄)