2024年 04月29日(月)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.02.01 08:45

ポストと鳥居が赤いコラボ、なぜこんなことに? 東下町稲荷神社(高知県四万十市)―フォっトけないす

SHARE

真下にポストがある東下町稲荷神社(写真はいずれも四万十市中村東下町)

真下にポストがある東下町稲荷神社(写真はいずれも四万十市中村東下町)

 雑貨店や居酒屋などが軒を連ねる四万十市中村東下町の東下町商店街。大通りを行くと目に飛び込んできたのは真っ赤なオブジェ? いやいや、鳥居だ。その下にはなんとポストがすっぽり。なんともハイブリッドないでたちは、まさに赤い衝撃。なぜ、こんなことになったのか。

 それぞれの正式名称は東下町稲荷神社と中村下町郵便局のポストと、いたって普通。そんな二つによる異色のコラボ実現までにはいろいろな事情がありまして…。

2006年の東下町稲荷神社。当時、祭りの日には東下町商店街会館3階から地上へ下ろされていた(東下町商店街振興組合提供)

2006年の東下町稲荷神社。当時、祭りの日には東下町商店街会館3階から地上へ下ろされていた(東下町商店街振興組合提供)

 商店街関係者らによると、この町には江戸時代から稲荷神社があった。昭和には、ほこらのそばに小山があり子どもたちの遊び場だったそう。のちに、その場所に郵便局ができ、1980年には東下町商店街振興組合が会館を建設。1階に郵便局が入る、現在のスタイルになった。

 会館新築時、困ったことが持ち上がった。当時を知る友永幸雄・元組合理事長(69)は「ほこらを残す場所が足りなかった…」。かといって、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛の御利益がある神社を、商店街の外に移すわけにもいかない。それならば、と神社は会館内に置かれることになった。

 「神様の頭上を歩くのは失礼」と、ほこらは最上階の3階に恭しく祭られた。が、今度は住民が気軽に参拝することが困難になった。「このままではもったいない」。友永さんは郵便局側の許可を取り付けて約15年前、現在のコラボを実現させた。

東下町稲荷神社に毎日水を供える友永幸雄さん

東下町稲荷神社に毎日水を供える友永幸雄さん

 神社には、商店街の関係者らが毎日のように参拝し、水や菓子を供え、手を合わせる。ポストには思いを込めた手紙を投函(とうかん)する人もいるだろう。

 仰げば神がいて、下には紙を入れる穴がある。観光客にも「不思議な神社」と珍しがられるスポット。友永さんは「神社の来歴が分かる看板でも作った方が親切かなあ」と笑った。(幡多支社・河本真澄)

高知のニュース 四万十市 街ダネ フォっトけないす

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月