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2023.01.31 08:41

アルゼンチンから〝よさこい留学〟南米大会やりたい!日系女性・下山和恵さん「自由さ魅力」

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ダンススタジオでよさこいを踊る下山和恵さん(高知市桟橋通5丁目)

ダンススタジオでよさこいを踊る下山和恵さん(高知市桟橋通5丁目)

 よさこい鳴子踊りを学ぼうと、祖父母が高知県出身というアルゼンチンの日系人、下山和恵さん(30)が来高している。現地でよさこいチームのリーダーを務めており、「学ぶことがいっぱい。いつかよさこいの南米大会をやりたい」と練習に汗を流している。

 下山さんの母方の祖父母は黒潮町伊田の出身。パラグアイに移住後、アルゼンチン・ラプラタに移って、バラや菊を栽培していたという。

 自身は親の仕事の関係で千葉で生まれ、5歳まで日本で過ごし、アルゼンチンに帰国。祖父母と一緒に暮らすようになり「おばあちゃんに日本舞踊を習い、おじいちゃんには『知っちゅう』とか土佐弁を教えてもらった」。今は図書館で、日本語教室を主宰しているという。

 よさこいを知ったのは12年前。県の国際交流事業で初来高し、よさこい祭りに参加した。日本の踊りといえば盆踊りを思い浮かべていただけに、「衣装がカラフルで『こんな派手な踊りがあるの?』って、すごいインパクト」を受けた。「サッカーとなるとお祭りになるアルゼンチンとちょっと似てる。向こうでもやりたいと思った」

 帰国後、故郷のラプラタで近所の日系人の子どもたちを15人集めてチームをつくった。鳴子もまねて作ったが「重いし、すぐ壊れる。音も全然鳴らなかった」とか。今では、アルゼンチン高知県人会の声掛けもあって、メンバーは40人に。県に送ってもらった鳴子を使い、日本語学校のグラウンドで踊りを披露するなどしている。

 今回、南米の日系人に日本文化を学んでもらおうという国際協力機構(JICA)の事業で来高。「現地の人にも踊ってもらえるよさこいをつくりたい」と約2週間、高知市のスガジャズダンススタジオで、みっちり練習を重ねている。

 ある夜のスタジオ。下山さんはキレッキレの小学生らに交じり、慣れないジャズダンスに取り組んでいた。指導者に「間違えても大丈夫!」、小学生には「オーラ!」(スペイン語で「こんにちは」)と励まされながら、見よう見まねで必死についていく。「みんなフレンドリー。明るく教えてくれるから体が弾む。私もこんなふうに指導したい」と目を輝かせる。

 スタジオ代表の国友裕一郎さんらが新たに振り付けた、よさこいも特訓中。下山さんは鳴子を手に跳びはねたり、ぐるぐる回ったり。改めて「よさこいは自由でいいんだ」と感じているという。

 滞在は2月4日まで。「もっともっと故郷でよさこいを広めたい。タンゴのセクシーさと合わせた、『アルゼンチンのよさこい』をつくります」と意気込んでいる。(浜田悠伽)

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