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2023.01.26 08:48

高知県内、寒波襲来に震える 水道管破損800件 立ち往生も

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「せーの!」。声を合わせて立ち往生した車を押すドライバー(大月町平山=坂本出撮影)

「せーの!」。声を合わせて立ち往生した車を押すドライバー(大月町平山=坂本出撮影)

 「水が出ない!」―。高知県内全域が氷点下となった25日朝、四万十市と高知市を中心に、水道管凍結による破損が相次いだ。役所に寄せられた情報だけで県内約800件に上り、業者らが対応に追われた。凍結や雪の影響でスリップ事故や立ち往生も頻発し、24日の降り始めから計73件に上った。

凍結した水道管を修理する。現場から現場へ駆け回った(四万十市中村小姓町=河本真澄撮影)

凍結した水道管を修理する。現場から現場へ駆け回った(四万十市中村小姓町=河本真澄撮影)

 四万十市は午前6時に氷点下2・9度に。平野部にも2センチほど雪が積もり、そこここの路面がキンと凍り付いた。午前9時。市中心部に事務所を構える大同設備(同市中村新町5丁目)には、営業開始を待ちかねたように電話がじゃんじゃん鳴りだした。

真っ白に染まった茶畑(四万十町十和川口=小林司撮影)

真っ白に染まった茶畑(四万十町十和川口=小林司撮影)

 「水道管が破裂して水が噴き出よう」。SOSの電話は50件に上り、社員7人が総出で奔走。前田圭司社長(43)は「依頼がざまにある。今日は他の業者さんもいっぱいいっぱいよ」。

 山沿いに住む正木信恵さん(86)=同市森沢=は、屋外の水道管に緩衝材を巻いて備えたが、巻き切れなかった床下の部分が凍り付いた。業者が修理を終えた午後までトイレが使えず、「このままならどうしようと心配だった」とほっとした表情を浮かべた。

 路面の積雪や凍結による車の立ち往生もあちこちで起きた。

 午前11時ごろ、大月町平山の県道「大堂トンネル」手前では、ノーマルタイヤをはいた配送トラックが雪にはまった。スコップで雪をかき出してもタイヤは空転するばかり。乗っていた50代男性は「大月の雪をなめていた」。

 すると今度は、トラックを追い越した乗用車も雪にズブリ。2台で道路をふさぐ格好になり、後続のドライバーたちが「せーの」と声を合わせて乗用車を救出した。

 県警によると、寒波の影響とみられる事故は、24日から25日午前11時までに人身7件、物損66件発生。幸い、重大な事故はなかったという。

 公共交通に大きな乱れはなく、JR四国と土佐くろしお鉄道、とさでん交通の路面電車と路線バスは始発から運行。高知龍馬空港発着の空の便にも欠航はなかった。各社とも、26日も通常ダイヤを予定している。

 学校は、佐川町や仁淀川町、四万十市などの公立小中高校と特別支援学校の26校が休校。54校が登校を1~3時間遅らせた。

 高知市は全小中学校と義務教育学校の給食を取りやめ、江陽小は午前中で児童を帰宅させた。1年生の母親(46)は「うちは共働きで午後から仕事を休んだけど、医療従事者など、急に休めない人も多いと思う」と話した。

 今回の寒波は気象庁が事前の対策を繰り返し呼び掛けたほか、昨年12月23日の大雪もあり、高知市内のホームセンターには数日前から、水道管に巻く保温材や凍結防止剤、雪かきスコップを求める人が相次いだ。店員は「『10年に1度』とさんざん言われたので、お客さんの動きも早かった」と振り返った。(本紙取材班)

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