2023.01.22 08:45
息をのむ夜景、造形美 輝く工場群(高知県須崎市)―フォっトけないす
夕暮れの山中に浮かび上がる〝要塞〟のような白石工業土佐工場(写真はいずれも須崎市)
自他共に認める海のまち、魚のまちである須崎市にはもう一つキャッチフレーズがある。それは「工業のまち」。24時間稼働する大規模な工場が山にも海にもあり、夜のとばりが降りれば、無数の地上の星が輝き出す。
堂々とそびえ立つ住友大阪セメント高知工場のキルンはロケット発射台のよう
運搬船の明かりが須崎港をまぶしく照らす
多ノ郷乙の須崎港に面する住友大阪セメント高知工場では、夜通し荷揚げや積み込みが行われている。山を挟んだ押岡側にはセメントを製造する高さ85メートルのキルンなどが立ち並ぶ。月明かりを浴びた施設群は宇宙基地を思わせる。
日鉄鉱業鳥形山鉱業所海岸事務所岸壁に続く船積み用ベルトコンベヤーの帯
JR土讃線斗賀野―吾桑間のトンネルの合間にちらりと見え、その立地や独特の外見から斜面の要塞(ようさい)とも呼ばれる白石工業土佐工場(桑田山乙)。石灰などを原料に炭酸カルシウム粉末を生産している山城のような建物は、網の目のようにパイプが張り巡らされ、唯一無二の景観をつくり出す。
石灰がたどる複雑なルート
見る者を圧倒する無数のパイプ