2024年 04月30日(火)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.01.16 08:40

幡多では不可能?陸上公認記録、宿毛市競技場が23年12月失効へ トラック変形で改修断念―支社局「発」!ニュース深掘り

SHARE

地盤沈下でゆがみが生じた宿毛市総合運動公園陸上競技場の400メートルトラック。日本陸連の公認失効が確実な状況だ(同市山奈町芳奈)

地盤沈下でゆがみが生じた宿毛市総合運動公園陸上競技場の400メートルトラック。日本陸連の公認失効が確実な状況だ(同市山奈町芳奈)

 高知県幡多地域で12月以降、日本陸上競技連盟(日本陸連)公認記録が取れなくなる恐れが浮上している。唯一の公認トラック、宿毛市総合運動公園陸上競技場が地盤沈下で変形し、市は巨額の費用などを理由に修繕を断念。公認失効後は約120キロ離れた春野総合運動公園陸上競技場(高知市)が最寄りの公認トラックとなり、地元の陸上クラブ指導者らは「陸上に励む子の負担が増える」と危惧している。

 公認記録は、公認競技場で開催される公認大会での記録。全国高校総体(インターハイ)や全国中学校体育大会(全中)など参加標準記録が設定された大会への出場にも関わり、競技上重要な意味を持つ。

 公認競技場は県内に5施設あり、その一つが宿毛市陸上競技場。よさこい高知国体に合わせて同市が2001年、10億9千万円で整備し、8レーンの400メートルトラックは「長さの誤差がプラス4センチ以内」との公認要件を満たした。

 ところが21年9月、市が日本陸連に要請してトラックを測定すると、約9センチ長いと判明した。市生涯学習課の担当者は「盛り土の上に設けたトラック南側で地盤が沈んだため」と推測。事実、トラック表面は所々波打った箇所がみられる。

 市は同年11月、南側の修繕費を見積もり、1億円と算出した。ただ、資材高騰が著しい現在では、さらに増額する可能性が高い。

 公認競技場として年2千万円以上を費やしていることもあり、市は「少子高齢化で利用者が減る中、これ以上維持するのは厳しい」(担当者)と修繕を断念。公認競技場は5年に1度、日本陸連による継続検定を受ける必要があるが、12月に予定していた次回の検定も受けないと決めた。

 「幡多で記録が取れる環境を守りたい」。陸上指導者らでつくる幡多地区陸上競技協会は、黒潮町の県立土佐西南大規模公園陸上競技場を公認競技場として整備するよう求める。ただ一部には、同町以西の6市町村で宿毛市陸上競技場の改修を支援する案も浮上している。(幡多支社・河本真澄)

高知のニュース 宿毛市 高知のスポーツ 支社局「発」!ニュース深掘り

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月