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2023.01.15 08:31

スカイブルーの県都 浦戸湾(高知市)―土佐鳥瞰紀行(83)

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 空は澄み、海は凪(な)ぎ、四国山地がどっしりと構えている。空、海、山、すべてが青い。

 高知市長浜沖。いつもより少し高く飛ぶと浦戸湾を一望できる。浦戸湾は太平洋から鏡川河口まで南北一直線のように思えるが、実は湾口部は東西にきゅっとカーブしていることが分かる。

 かつて、県都に向かう大阪高知特急フェリーが、ここを往来したことを思い出す。

 夜に大阪南港をたち、太平洋の波に揺られて2等客室で転がりながら眠った。寝不足の目をこすり、甲板から見る桂浜に「あれが龍馬像?」と目を凝らし、朝日に光る浦戸大橋を仰ぎ見た。ゆったりと舵(かじ)を切ってしばらく進むと、ぽぽんと並ぶまん丸い小さな玉島と衣ケ島。旅の最後は、わんぱーくこうちの観覧車がお迎えしてくれた。

 高知と県外を結ぶフェリー航路は、今はない。ただ、30年ほど前に大学進学のため乗ったフェリーからの光景は、今も鮮明だ。胸いっぱいに吸い込んだ潮の香りを覚えている。そして、あの日もスカイブルー一色だった。(佐藤邦昭)

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