2023.01.15 08:38
濃紺の羽に黄の帯...鮮やかな「ガ」キオビエダシャク、高知大院生が県内初確認 注意も必要
採集したキオビエダシャクの標本と岡田遼太郎さん(南国市物部乙の高知大学物部キャンパス)
岡田さんは絶滅危惧種のツマグロキチョウを研究。昨年10月に調査のため須崎市浦ノ内の海岸近くで飛んでいるところを見つけた。一瞬、きれいなチョウかと思ったが「バタバタ飛んでたので、すぐにガだと気付いた」。スマートフォンで調べると県内未確認の種だった。採集を試みたが網の長さが足りず、翌日に8メートルに伸びる網を持参。さらにその翌日、木に止まっているところを捕まえた。
羽を広げた大きさは5・5センチ。ガに詳しい県内関係者に見てもらい、専門雑誌「月刊むし」(むし社発行)に「高知県初記録」として投稿、掲載された。
キオビエダシャクは東南アジアや日本の南西諸島に生息する。近年は温暖化の影響で北上し、鹿児島県や宮崎県などでも定着が確認されている。幼虫は生け垣などに植えられるイヌマキなどの葉を食べ尽くすため、両県では駆除を呼び掛けている。
岡田さんは付近で同時に4匹を確認。ただ、周囲のイヌマキの葉や根元を調べても姿はなかったという。「高知では定着していないと思う。(9月の台風14号などで)飛ばされてきたのかも」。捕獲できなかった3匹も年末の寒波で死滅したと推察する。
「珍しい種が捕れて、純粋にうれしかった」と研究者の目を輝かせていた。(加治屋隆文)