2022.12.29 08:38
高知市大雪、「降雪」も観測史上1位18センチ 積雪との違いは?
高知地方気象台の露場にある積雪計。雪面にレーザーを照射して積雪を測る(23日、高知市比島町1丁目=同気象台提供)
JR高知駅北東の同市比島町1丁目。住宅街の真ん中にフェンスで囲まれた一角がある。1977年まで高知地方気象台のあった場所で、気温や湿度、雨量などの気象データを観測する「露場(ろじょう)」が今もある。
ここにポール状の計測機器がいくつも立っており、その一つが積雪計。地表に向けてレーザーを照射し、雪面で反射して戻ってくる時間から積雪の深さを導く。それらのデータは同市本町4丁目の現気象台にリアルタイムで送られ、1時間ごとに発表している。
積雪とは「ある時点で実際に積もっている深さ」。23日は午前8時に計測した14センチが最大で、87年1月13日の10センチを塗り替えた。これに対し、降雪は「一定時間内に降った雪の累計」で、解けた分は考慮しない。
例えば、23日午前5時の積雪は2センチ、同6時は5センチ。この場合、降雪は3センチになる。5~8時に計14センチ、午後7~9時に計4センチの降雪があり、24日午前0時までの24時間の降雪は計18センチに。87年1月は降雪も10センチで、それを上回った。
同気象台によると、雪雲が西から東へ動くと県中部で雪が降りやすい。今回はその動きが長時間続いたため、山地だけでなく、平野部も大雪になった。
県内の積雪計はここだけで、2012年12月に導入。それまでは職員が露場内の施設に泊まり込んで、雪尺と呼ばれる目盛りのついた棒を雪面に差し込んで測っていたという。
同気象台によると、今後1週間は雪が極端に積もることはないが、山間部では雪が残っており、早朝や夜間の凍結に注意を呼び掛けている。(山崎彩加)