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2022.12.16 08:40

天狗高原、遊歩道に批判 希少植物消失「あぜん」高知県議会

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 高知県議会12月定例会は15日、各常任委員会を開いた。商工農林水産委員会では、県が9月に天狗高原(高岡郡津野町)に遊歩道を整備した工事により、希少植物の自生地の一部が失われた問題について、委員から批判が続出。「あぜんとした」「県は自然保護の先頭に立つべき立場。たまるか」などと県の対応を批判する意見が相次いだ。

 県は同町や県民の要望を受け、「四国カルスト県立自然公園」再整備の一環で、電動アシスト付きマウンテンバイク(Eバイク)や車いすで散策できるよう遊歩道を整備。未舗装の道を拡幅し、アスファルト舗装を施したため、絶滅危惧種などの自生地の一部がなくなり、住民や専門家から疑問の声が上がっていた。

 委員会では武石利彦氏(立志)が、工事前にヒメユリが咲いていた草原と工事後の舗装道の写真などを示し、「無残。誰がこんなところで自然が楽しめるのか」と立腹。県自然共生課職員が施工前に現地を歩いたという調査について「草が生えていない時期に何を調査したのか」と指摘した。

 他の委員からも「生態系について考えれば、もう少し他の工法があったのではないか」「県の反省や真摯(しんし)な対応が感じられない」「守るべきものを守ってほしい」などの意見が出た。横山文人委員長は「自然共生課に自然保護を任せていいのか、危惧する。重く受け止めてほしい」と求めた。

 同課は今後、専門家や住民を交えたモニタリング調査を実施し、遊歩道が植生に与えた影響を調べる方針を説明。豊永大五林業振興・環境部長は「現場の調査は結果として十分でなかったと反省している。県民の意見を真摯に受け止めたい」と述べた。(蒲原明佳)

     ◇

 危機管理文化厚生、産業振興土木の両委員会は15日、いずれも付託議案を全会一致で可決した。

高知のニュース 議会

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