2022.12.15 08:19
高知県議会の質問(12月14日)
間伐でクラウド活用 林業振興・環境部長
金岡佳時氏(自民、長岡郡・土佐郡)
中村剛中山間振興・交通部長 本山町では自宅で水田の水位を確認し、遠隔で水門を操作できる省力化技術の実証と実装を目指した取り組みを2カ年計画で行っている。ほ場での動作試験を行い、来年度に一連のシステムを完成させる予定だ。中山間地域の労力軽減に効果的で、実証事業中も現場での動作を他の市町村に見てもらい、早期の導入検討を促す。得られた技術や運用方法、コストなどを情報共有する。
金岡氏 人工林の適正な管理が必要だ。皆伐、間伐、再造林など森林の更新策は。
豊永大五林業振興・環境部長 皆伐面積は2018年度に近年最大の814ヘクタールとなるなど増加傾向。間伐面積は、皆伐への移行などで12年度の6419ヘクタールが21年度に4493ヘクタールとなり減少傾向だ。再造林は21年度に299ヘクタールと増加傾向だが、皆伐に対する再造林率は40%ほどにとどまる。来年4月から本格稼働する(森林のデジタルデータをインターネットで共有する)森林クラウドの活用などで適時適切な皆伐、間伐を促進する。再造林は、低コスト造林の推進や基金団体への支援など森林所有者の負担軽減に取り組む。
ノーリフトどう推進 野町雅樹氏(自民、安芸市・芸西村)
小規模事業所を支援 子ども・福祉政策部長
野町雅樹氏(自民、安芸市・芸西村)
山地和子ども・福祉政策部長 本県では全国に先駆けてノーリフティングケアを推進し、延べ354事業所への福祉機器導入支援など、ハード、ソフト両面から支援してきた。小規模事業所では機器導入の財源確保や指導者確保の課題があるため、本年度は導入に対する補助率を4分の1から2分の1に引き上げ、オンラインによる指導者養成研修などにも取り組んでいる。今後は小規模事業所向けの研修など各事業所の実情に沿った支援をする。
野町氏 9月に本格運用が始まったIoPクラウド「SAWACHI(サワチ)」の課題と今後の推進方針は。
杉村充孝農業振興部長 データ駆動型農業は新しい試みのため、抵抗感を持つ生産者がおり、効果を実感している人もまだ一部だ。JA土佐くろしおやJA高知県春野きゅうり部会など、組織を挙げてデータに基づくフィードバックを実践し、成果を上げている事例を県域へと普及させる。作物の生育状況や気象の変化に応じてより最適なハウス内環境に改善することや、収穫量のデータを活用して肥料の使用量を適切に調整するなど、きめ細やかな営農指導を徹底する。