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2022.11.23 08:38

手作りの味で人気…西土佐の農家レストラン「しゃえんじり」閉店へ メンバー高齢化 最後の営業は11/25~27

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店を切り盛りしてきた平塚聖子さん=左=と和田鈴美さん。常連客に惜しまれつつ、笑顔で閉店を迎える(写真はいずれも四万十市西土佐口屋内)

店を切り盛りしてきた平塚聖子さん=左=と和田鈴美さん。常連客に惜しまれつつ、笑顔で閉店を迎える(写真はいずれも四万十市西土佐口屋内)

 高知県四万十市西土佐口屋内で地元女性らが運営してきた農家レストラン「しゃえんじり」が、27日を最後に閉店する。地元の食材を生かした手作りの味で人気を集めたが、高齢化でメンバーが減り、体力面の負担も大きくなっていた。代表の平塚聖子さん(67)は「ここで一区切り。毎年来てくれるお客さんもいて、すごくうれしかった」。笑顔で17年の歴史に幕を下ろす。

 同店は地域に仕事の場をつくり活性化を図ろうと、住民が集会所を改修して2005年にオープン。女性5人が中心となり、週6日の営業を続けた。

川エビやイノシシなど地元の食材を使った料理を並べる

川エビやイノシシなど地元の食材を使った料理を並べる

 食事はバイキング形式。川エビやイノシシ、クリなど地元の食材をふんだんに使い、15品ほどを並べる。素朴で懐かしい味が評判を呼んで地区外から多くの人が訪れるようになり、13年度には来客数が年間1万人を超えた。

 ただ、月日を重ねるにつれ体調悪化や高齢化で店に立てないメンバーが増え、新型コロナウイルス禍による客数減も引退のきっかけに。20年からは平塚さんと和田鈴美さん(79)の2人となり、営業も金土日の週3日に縮小していた。

 口屋内の住民は今年4月時点で95人。平塚さんは「過疎が進む中で、新しく一緒に働いてくれる人をよう探さんかった」と苦笑する。準備から後片付けまで9時間働くのもきつくなり、紅葉の見頃を過ぎ、閑散期に入る12月を前に閉店することを決めた。弁当やみそなどの加工品作りは続け、しゃえんじりの名前で直販所などに出していくという。

 閉店を知った常連客からは「永遠なんてないからね」「ご苦労さま」とねぎらわれた。平塚さんは「皆さんが優しく声をかけてくれてうれしい」。和田さんは「おいしかった、と言って帰ってくれるのがもう、最高でね。やってよかった」と静かに笑った。

 最後の営業は25~27日の午前11時半~午後2時。(河本真澄)

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