2022.11.16 08:40
「四万十ドラマ」に優秀賞 政府選定「農山漁村の宝」 高知商高ジビエ部は特別賞
十和地域の芋や栗を使って生産する焼き菓子(四万十町十川の「しまんと地栗工場(こうば)」)
鳥獣害の解決に向けた肉製品を開発、販売に取り組んできた高知商業高校ジビエ部の生徒(高知市大谷の同校)
ヒノキの風呂場用芳香材や地元の広井茶生産組合と連携したペットボトル飲料などを続々開発。地域で暮らした経験のあるデザイナー、梅原真さん(72)=香美市=の支援も受け、近年は「しまんと地栗」のモンブラン、芋の焼き菓子といった各種スイーツで首都圏などに販路を広げている。03年に考案した「しまんと新聞ばっぐ」も国内外に普及し、同社の雇用は当初の2人から22人に増えた。
受賞について畦地履正社長(58)は「地域の生産者の皆さんと一緒にいただいた賞。今後も農作物の加工を通じて1次産業を活性化し、後継者の維持、増加につなげたい」としている。
高知商業高ジビエ商品開発・販売促進部は2017年に結成し、部員は現在17人。本県が悩む鳥獣害の解決に向け、県内で捕獲されたニホンジカやイノシシなどのジビエ(野生鳥獣肉)を使ったソーセージやジャーキーなどを商品化し、利益は被害に遭った森林の保護活動に寄付している。
受賞を聞いた部長の2年、池知美優さん(16)は「ジビエは栄養素や海外での使用例を見ても価値がある食材。高知のジビエを特産品にして、県内外の人においしさを知ってもらいたい」と、さらなる活動の充実に意欲を見せていた。
「―宝」は14年から毎年選定。9回目の今年は、全国616の応募から22道府県の37団体・個人を選び、その中から最優秀に当たるグランプリと優秀賞、特別賞を7日に選定した。
グランプリには、地域で生産したシルクをスキンケア商品に加工し海外進出した沖縄UKAMI養蚕(沖縄県今帰仁村)が選出された。政府は選定した団体・個人の活動をホームページなどで紹介している。(小林司、玉置萌恵)