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2022.11.21 08:30

「印刷技術への執念」(下) シン・マキノ伝【34】=第3部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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牧野富太郎「モクレイシの図」(大日本植物志第1巻第4集第13図版、高知県立牧野植物園所蔵)

牧野富太郎「モクレイシの図」(大日本植物志第1巻第4集第13図版、高知県立牧野植物園所蔵)

 前回に引き続き牧野の印刷へのこだわりをテーマとしたい。今回は「大日本植物志」第4集の印刷に関することである。

牧野富太郎「ホテイランの図」(大日本植物志第1巻第4集第16図版、高知県立牧野植物園所蔵)

牧野富太郎「ホテイランの図」(大日本植物志第1巻第4集第16図版、高知県立牧野植物園所蔵)

 第3集までの図と第4集の第12図版~第15図版を比較すると、明確な相違点として陰影の付け方が挙げられる。前者、つまり三品が銅版に彫っていた図は、線で影を入れているが、第4集は影がぼかしになっている。第4集の陰影は、銅版彫刻を三品に頼めなくなった牧野が(三品と同等の技術を持った彫り師を見つけることは難しかったであろうと想像される)植物図としてより適切な表現を模索した結果新たに導入した方法ではないかと思われる。

 牧野はもともと短い線を連ねて…

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