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2022.11.08 08:00

小社会 河原の不思議

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 「河原直し」という言葉を知ったのは1993年。大水が出て、引いた直後に河原を歩く。でこぼこが多く、ふだんより軟らかくなっていれば「河原直しの大水がまた来るぞ」となる。

 筆者がそれを初めて聞いたのは、台風が来たその年の8月の夜。見ず知らずのその人は「河原が大変な状態だ。今年はまだ何回も大水が来る」と断言。疑って電話を切ったが、10月にも大雨が続く。「予想的中」だと思い、電話の主を人づてに探し当てた。

 その古老は川漁にいそしみ、河畔の屋敷に暮らしていた。「河原直しの予知は必ず当たる。なぜ当たるか? 川に聞くしかない」「まだ気にいらん。今年はまだ来る」。そして11月半ば、季節外れの猛烈な雨が再び見舞った。古老を訪ねると、納得した顔で言った。「今年の河原直しはやっと終わった」

 先日の本紙で河原の復元に挑む四万十川流域の人々の記事を読んでいて、古老を思い出した。川辺の民は、自然の復元力を河原の変化から見つめている。

 季節は初冬に差し掛かった。いの町加田。仁淀川の河畔から畑に分け入ると、中嶋理(おさむ)さんが、山芋の畝を掘り返していた。懐かしい古老のご長男で、今週は十三回忌を行うという。「河原直しとはよく言ったね。親父(おやじ)たちは経験から語っていた」

 丸石や砂が語りかけてくる。悠久でありながら、年々、日々、時間ごとに姿を変える、河原の不思議に吸い込まれてゆく。


11月8日のこよみ。
旧暦の10月15日に当たります。きのと うし 五黄 赤口。
日の出は6時30分、日の入りは17時08分。
月の出は17時01分、月の入りは5時59分、月齢は13.7です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時52分、潮位185センチと、17時30分、潮位188センチです。
干潮は11時40分、潮位69センチと、23時59分、潮位15センチです。

11月9日のこよみ。
旧暦の10月16日に当たります。ひのえ とら 四緑 先勝。
日の出は6時31分、日の入りは17時08分。
月の出は17時34分、月の入りは7時01分、月齢は14.7です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で6時31分、潮位185センチと、17時55分、潮位186センチです。
干潮は12時11分、潮位78センチです。

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