2022.11.05 08:36
兼山の治水に恩恵と弊害 高知市で企画展 開発の影で洪水多発
野中兼山の仁淀川治水事業の恩恵と弊害を探る企画展(高知市の春野郷土資料館)
兼山は17世紀半ば、仁淀川下流に八田堰(ぜき)と鎌田堰を建設し、現在の春野町や土佐市高岡町に農業や交易に利用する水路を整備した。その功績の一方、高岡郡日高村や吾川郡いの町では「豪雨のたびに水害を被るようになったとの訴えが残る」と、同館職員の横山有弐さん(66)は指摘する。
「日高村史」によると、堰によって本流の川床が上昇し、大雨の際、支流の日下川が本流に流れず洪水が頻発。「村民はひたすら兼山を憎んだ」とされ…